児童・思春期メンタルヘルス診療科
基本情報
当科では、小学校1年生から中学校3年生までの日常生活行動や学習に困難を抱えた子どもを対象に、主に外来診療をしています。自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、限局性学習症(学習障害)、心身症、不登校、発達遅滞などが主な対象疾患です。
こうしたお子さんは日常生活や学習で様々な困難を抱えており、その原因は本人の特性だけでなく、保護者の特性や親子の関係性、学校や地域などの環境要因などが絡み合っており、一様ではありません。ご本人・ご家族と一緒に問題点と実行可能な解決策を丁寧に整理していくことで、子どもたち自身にも積極的に困難に向き合ってもらえるような診療を心がけています。
当科では診療にあたり、心理・発達検査を導入しています。子どもの元々の発達特性はどうか、現在のコンディションはどうか、親子関係はどうか、等を診察と検査を通して整理していきます。また、治療も薬物療法、心理療法など多岐にわたります。積極的に取り組むほど時間も手間もかかりますので、ご本人や家族の生活とバランスをとりながら、どの治療にどのタイミングで取りかかるか、適宜検討します。
また、近隣の開業クリニックとの連携も進めています。普段はかかりつけ医に診療してもらいながら、定期的に当院にも受診してもらい、治療の方針などをかかりつけ医に連絡するなど病診連携を重視しています。
当科のディスレクシア外来は、ディスレクシア(発達性読み書き障害)の診断と治療を行う全国の国公立病院では唯一の専門外来です。本が読めるようになって子どもが自信を取り戻し、登校しぶりがなくなるなどの成果を挙げています。
ディスレクシア外来
小学1年生から6年生までで、全般的な発達の遅れはなく、文字の読み書きに困難があるお子さんの診療をいたします。必ず医療機関の紹介状を持参してください。予約は予約センター(03-5494-7300)でお願いします。
なお、ディスレクシア初診外来を受診する際には、以下のすべてにチェックが入ることが前提となっています。ご確認の上、これらを網羅した紹介状を受診時に持参してください。
- 平仮名の音読に困難があり、努力したがあまり改善しない
- 本人に音読が苦手という自覚がある
- 本人も改善したいと願っている
- 本人が受診を納得している
- 1年以内に詳しい知能検査を受けていて、知的な遅れはない
- その検査結果を持参できる
- 医療機関(できれば教育機関から詳しい情報も)の紹介状がある
LD外来
ディスレクシアのみならず、様々な原因で学習困難(learning difficulty=LD)をきたしている小中学生のお子さんの診療を行います(ディスレクシアを含む)。現状を評価して、その対応策についてご家族と一緒に考えたいと思います。医療機関からの紹介状を持参してください。予約は予約センター(03-5494-7300)でお願いします。
診療内容・業務内容
- 当診療科ではおもに以下の疾患や状態にある子どもの診療を行っています。
- 発達障害
- 自閉スペクトラム症
- 注意欠如・多動症
- 限局性学習症(とくにディスレクシア)
- 心身症
- 神経性習癖
- 言語発達遅滞
- 精神遅滞
専門分野
発達障害医学 (自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)
ディスレクシアの診断と治療
診療実績
| 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|
症状性を含む器質性精神障害 | 4 | 2 | 2 |
精神作用物質使用による精神および行動の障害 | 0 | 0 | 0 |
統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害 | 38 | 20 | 4 |
気分[感情]障害 | 124 | 69 | 41 |
神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害 | 479 | 338 | 290 |
生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群 | 204 | 147 | 108 |
成人のパーソナリティおよび行動の障害 | 7 | 5 | 11 |
精神遅滞 | 144 | 135 | 132 |
心理的発達の障害 | 815 | 786 | 778 |
小児<児童>期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害 | 465 | 415 | 448 |
合計 | 2280 | 1917 | 1814 |
受診方法
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外来診療担当表は、こちらをご覧ください。
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受診方法については、こちらをご覧ください。