国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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おりがみツリー発案者の想い 橋本 直也 医師 利根川 尚也 医師 ロングインタビュー③│おりがみツリー│ご寄付について

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2012年に始まったおりがみツリーは、今年で通算5年目の節目を迎えます。すっかり当センター「冬の風物詩」として定着した本企画ですが、「おりがみを集めて一つの大きなツリーをつくる」といった一風変わった発想はどこからきたのでしょうか。
おりがみツリーブログ第一弾となる今回は、おりがみツリーの発案者である二人の医師、橋本 直也 医師と利根川 尚也 医師に話を聞きました。
企画を始めたきっかけ、取組みの中で感じたやりがい、軌道に乗るまでの様々な苦労や、医師を目指した理由まで、6500文字にも及ぶロングインタビューから読み取っていただければと思います。

 医師を目指したきっかけ。子どもを取り巻く環境を診るという事。

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――次にお二人の少しパーソナルな話題ですが、医師を目指したきっかけについて、まずは利根川先生から教えてもらえないでしょうか? 


利根川「僕は、祖父が開業医だったんです。その影響もあって、医者って職業が身近にありました。なんか擦り込まれてたんですね、医者になるんだって。ただ、思春期のころ嫌になって、一回それをやめたんです。そんな中、高校1年の時に祖父が亡くなって。その時のお葬式にたくさん患者さんがきたんです。みんなが、祖父の横にいって泣き崩れる。その光景を見たときに、純粋に感動しました。人となりがすごく評価される職業だなと感じて。一生やるに値する職業だなと思って、それで医者になりました。」


橋本「それは初めて聞いたなあ(笑)。」


――橋本先生も知らなかったんですね(笑)。それでは、何か仕事をする上で大切にしていることはありますか?


利根川「医者として大事にしていることは、これは小児科医としてでもあるのですが、子どもだけじゃなくて、子どもをとりまく家族とか、環境とか、その子に関わる全部を診ることです。例えば、小さい子どもが風邪をひいて、しばらくすれば病状は回復するんだけど、両親が共働きで全然家に居れない、そういう家族の事情や不安を聞いて、退院するタイミングのことを考えたり。社会的なサポートが必要な人だったら、そこまで行き届いているかをチェックしたりだとか、その先の先まで診る医者でありたいと思っています。」


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――患者さんの医学的な問題だけでなく、ソーシャルな問題にも取り組んでいるんですね。ありがとうございます。それでは、橋本先生からも話をお聞きしたいと思います。


橋本「僕が医者になった理由は、父親が医者だったからって、だけですね(笑)。」


一同「(笑)」


橋本「いい話が何にもなくてすいません(笑)。医学部に入った理由はほんとにそれだけで…。なんか、医者になれよって空気あるじゃないですか。」


利根川「もうやめてくれ(笑)。」


橋本「だけど、医学部に入って病院実習を5年生の時にするんですけど、その時後付けでいい職業だなって、すごい思ったんです。」


――病院実習ではどんなことがあったんでしょうか?


橋本「はい。医学部生は、その5年生の実習で初めて黒板の授業ではなく実際に患者さんと接する機会を持てるのですが、その時最初に回った科が小児科で。」


――それがきっかけで小児科医に?


橋本「すごくインパクトがあって、生まれた瞬間から関わって、その先80年の人生に関われる。そこでポジティブな思いをお母さんや子どもたちが持つことができれば、その先の人生長い間、前向きな気持ちで過ごせるかもしれない、そんなことを思いましたね。」


――小児科独特の魅力に魅かれていったんですね。


橋本「本当に、小児科はどの科とも似ていなくて、魅力がありましたね。そのあたりから、医者という職業を自分の中で考え始めて。」


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――それが今の橋本先生に繋がるんですね。それでは、現在の仕事で大切にしている事についてもお聞かせいただければと思います。


橋本「僕も利根川と近い意識を持っていて、なぜその子が病気になってしまったのか、までを考えるようにしています。社会的に子どもたちは一番弱者なので、やっぱり色んな影響を受け易いです。真っ先に影響が出るのは子ども達だと思っているので。例えば、経済状態が悪くなれば子ども達の健康も悪くなるし、色んな社会の構造に影響されます。」


――やはり、橋本先生もソーシャルな部分を大切にしているんですね。


橋本「病気になった子どもを病院で待っているだけではなくて、健康なままでいさせるとか、病気の原因の上流に介入できる医者になりたいですね。それは小児の場合は社会的な要因も含まれるんですけど。」


――例えば、どんなことでしょう?


橋本「例えば、子育ての孤立は大きな問題だと思います。核家族化や人々の繋がりが希薄化している今、家庭を孤立させないことは非常に重要だと思います。インターネットは人と人を繋ぎますが、心の拠り所になるような人の繋がりを生むことまではまだできていない気がします。家庭が孤立すると子育ても孤立して、子どもに手をあげてしまうお母さんもいるし、人知れず悩みを抱えているお母さんもいます。子どもを取り巻く社会構造や環境にも介入していって、解決したいなと思います。」

子どもたちもそうだし、子育て世代も同時に応援し、寄り添っていく。


――お父さん、お母さんの環境を改善することも大切なんですね。


橋本「それと同時に、最初に小児科の病院実習のときに感じた、いかに子どもたちや支える家族に前向きな気持ちになってもらえるかもすごく大切にしています。子育ての孤立にしても、お母さんを応援し、寄り添う環境があまりにもなくて、それで追いつめられてしまうケースがあります。子どもたちもそうだし、子育て世代も同時に応援し、寄り添っていくのは自分のポリシーとして持っています。」


――そのポリシーは臨床の現場でどのように活かされているんでしょうか?


橋本「例えば、発達障がいの子を育てる家族との関わりであれば"これができない"ではなく、"こんなことができるじゃないですか"と、長所を一緒に発見していくことを意識しています。」


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――橋本先生が取り組んでいる「小児科オンライン」でも、子どもの診療だけでなく、お父さんお母さんへのサポートも行っているんですか?


橋本「そうですね。子どもの健康への不安に対して、お父さんお母さんは自分が悪いと考えてしまうケースがけっこうあるんです。「いや、医学的に判断して、そんなことないですよ」と、一言伝えるのも小児科医が行うべきことだと思うんですよね。不安を取り除くことで、子どもの健康にもいい影響を与えると思うんです。」


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橋本 直也

2009年日本大学医学部卒。小児科専門医。聖路加国際病院での初期研修を経て、国立成育医療研究センターにて小児科研修。その後、東京大学大学院にて公衆衛生学修士号を取得。子育てにおいて誰もが孤立しない社会づくりを目指し、2015年12月に株式会社Kids Publicを設立。IT×小児医療で子どもたちの健康に貢献することを目指す。

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利根川 尚也

2009年昭和大学医学部卒。太田綜合病院付属太田西ノ内病院での初期研修を経て、国立成育医療研究センターにて小児科研修。その後、2014年同センター 感染症科にて臨床研究員、2015年沖縄海軍病院を経て、現在沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児総合診療科に勤務。

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