国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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スマートフォンアプリを使った子どもの成長・発達・生活習慣についてのビッグデータ解析研究


世界初・スマートフォンアプリを使った子どもの成長、発達、生活習慣についてのパイロットスタディ

国立成育医療研究センター分子内分泌研究部 基礎内分泌研究室 鳴海 覚志室長の研究グループと株式会社ファーストアセント(所在地:東京都中央区、代表取締役:服部伴之、以下、「ファーストアセント」)は、スマートフォンアプリ『パパっと育児@赤ちゃん手帳』を使い、世界的に前例のない、子どもの成長、発達、生活習慣の実態解明を目指した共同研究を開始します。

リアルタイムかつ経時的に記録されたビッグデータを解析する本共同研究では、これまでほとんど知られてこなかった子どもの成長、発達、生活習慣の個人差やそのダイナミックな経時的変化を調査します。市民参加型の本研究では、育児に取り組むお父さん・お母さんの多数の参加をお待ちしています。

プレスリリースのポイント

  • ユーザー17万人以上のスマートフォン育児メモアプリ『パパっと育児@赤ちゃん手帳』のビッグデータを使い、子どもの成長、発達、生活習慣の実態を明らかにする世界的に前例のない研究です。
  • 子どもたちの生活記録1億件以上から抽出した統計データを分析し、成長、発達、生活習慣の個人差や経時的変化、それぞれの因子の関係(例:睡眠時間と身長に関係はあるか?)を解明します。
  • 子どもたちの成長、発達、生活習慣の個人差や経時的変化に関する確かな情報は、育児不安の解消や病気の早期発見などに役立てられます。

背景・目的

近年、スマートフォンやタブレットといった携帯用端末が普及し、生活や行動に関する様々なデータ(ライフログ)がリアルタイムに記録されるようになりました。このようなビッグデータは広告や物流などに既に利用されていますが、医学研究への応用はまだ始まったばかりです。
子どもたちの健康状態を正しく知る上で、その実態を個人差の幅も含めて知ることは極めて重要です。例えば、1か月児の排便回数は「3日に1回」という子もいれば「1日に6回」という子もいて、個人差が大きいことが知られています。排便回数は栄養方法(母乳主体か人工乳主体か)により影響を受け、時間的にも変化してゆくことが経験的に知られていますが、その詳しい実態は不明です。現在、日本では1年に100万人の新生児が生まれます。「パパっと育児@赤ちゃん手帳」のユーザーは17万人以上。その入力データは1億件以上であり、まさにビッグデータです。共同研究チームは、日本の子どもの成長、発達、生活習慣の実態を、個人差や経時的変化も含めて明らかにしたいと考えています。

研究手法

ファーストアセントが運営するスマートフォンアプリ『パパっと育児@赤ちゃん手帳』はiPhoneとAndroidに対応しており、誰でも無料で使うことができます。ユーザーは睡眠、食事、排泄といった子どもたちのライフログを育児メモとして記録でき、一週間の生活パターンを見える化したり、育児記録の電子書籍を作ったりすることができます。
本共同研究では、医学研究への利用に関して同意の得られた1億件以上のライフログデータをもとに特定の条件に基づいた統計データを取り出し、国立成育医療研究センターで分析します。例えば「母乳栄養で育てられた1か月の乳児の排便回数の分布(ヒストグラム)」「1か月時の1日睡眠時間と1歳時の身長の二次元グラフ」といった条件で統計データを取り出します。
「寝る子は育つ」は本当でしょうか?・・・今後の研究にご期待下さい。
*本共同研究は国立成育医療研究センター倫理審査委員会で承認を受けています。

共同研究1の画像

日本全国の『パパっと育児@赤ちゃん手帳』のユーザーは、スマートフォンを使って子どものライフログ(睡眠、授乳、排泄、健診での身体測定値など)を入力します。データはファーストアセントのサーバーに蓄積されます。ユーザーは「一週間の生活パターン」をスマートフォンに表示させるなどして、日々の育児に役立てています。本共同研究では、ファーストアセントが保有するデータから統計データを抽出し(個人の特定につながる情報はこの過程で取り除かれます)、国立成育医療研究センター研究所で分析します。

研究の特色

乳幼児の実態に関する従来の調査として、厚生労働省が10年おきに行うアンケート調査「乳幼児栄養調査」が代表的です。排便回数を例にとると「お子さんの排便の頻度はどのくらいですか?」という問いに対し「ほぼ毎日排便がある」から「便秘の治療を行っている」までの6つの選択肢から選ぶ形式です。0か月~6か月未満の乳児については124人分のデータが調査されています。このような従来法の調査では、多数のデータを集めることは難しく、個々の情報は保護者の記憶に頼るため、ある程度の不確かさが避けられません。
本共同研究では1億件以上の発生源入力情報に基づいており「1か月児の排便回数」にまつわる統計値(平均値、ばらつき、分布など)を高精度に求めることができるのみならず「1か月児は授乳後何時間で排便しやすいか?」といったことも調査できます。
本共同研究では「睡眠時間と背の伸び方に関係がある?」「発達のはやさには男女差がある?」「母乳と人工乳でどちらがよく眠る?」といった素朴な疑問を検証することもできます。

今後の展望

乳幼児栄養調査との比較の画像
乳幼児栄養調査との比較

乳幼児の実態に関する従来の調査として、厚生労働省が10年おきに行うアンケート調査「乳幼児栄養調査」が代表的です。排便回数を例にとると「お子さんの排便の頻度はどのくらいですか?」という問いに対し「ほぼ毎日排便がある」から「便秘の治療を行っている」までの6つの選択肢から選ぶ形式です。0か月~6か月未満の乳児については124人分のデータが調査されています。
このような従来法の調査では、多数のデータを集めることは難しいですし、個々の情報は保護者の記憶に頼るため、ある程度の不確かさが避けられません。
本共同研究では1億件以上の発生源入力情報に基づいており「1か月児の排便回数」にまつわる統計値(平均値、ばらつき、分布など)を高精度に求めることができるのみならず「1か月児は授乳後何時間で排便しやすいか?」といったことも調査できます。
1か月児の排便回数の分布(母乳栄養と人工乳主体栄養)ヒストグラムの画像
1か月児の排便回数の分布(母乳栄養と人工乳主体栄養)ヒストグラム

1日あたり排便回数の経時的変化(母乳栄養と人工乳主体栄養)グラフ の画像
1日あたり排便回数の経時的変化(母乳栄養と人工乳主体栄養)グラフ

本共同研究では「睡眠時間と背の伸び方に関係がある?」「発達のはやさには男女差がある?」「母乳と人工乳でどちらがよく眠る?」といった素朴な疑問を検証することもできます。研究成果の第一弾は2017年秋に発表予定です。今後の研究の進展にご注目下さい。

分子内分泌研究部について

国立成育医療研究センター分子内分泌研究部では、胎児期から生殖年齢期までの内分泌疾患、成長障害、および先天奇形症候群を主な対象として、分子遺伝学的・臨床的解析を行っています。これにより、新たな疾患発症機序の解明、臨床像や予後の解明、現行の治療法の効果の判定、迅速かつ正確な診断法の確立、新しい治療法の開発を目指しています。

内分泌(ホルモン分泌)機構の異常は、成長障害、性分化疾患、性成熟異常、先天奇形症候群、生殖機能障害などさまざまな疾患を招きます。これらの疾患の発症機序には未解明の点が多く、有効な診断法や治療法が確立されていない疾患が多く存在します。分子内分泌研究部では、国内外の臨床医や研究者と連携し、内分泌疾患の臨床的および分子遺伝学的研究を行っています。

私たちの研究の目的は、新規疾患発症遺伝子の発見、疾患成立機序の解明、疾患重症化因子の解明、診断法や治療法の開発などを介して、よりよい医療の実現と健全な次世代の育成に貢献することです。

国立成育医療研究センター分子内分泌研究部では、こうした専門的・先端的な領域における知識の習得や研究に興味・関心を持つ意欲的な学生を広く迎え入れております。ご興味のある方は、下記の連絡先よりお電話で御連絡戴ければと思います。

国立成育医療研究センター(代表):03-3416-0181

記者会見スライド

この研究について詳しく解説できる専門家

東北大学大学院医学系研究科小児環境医学分野 教授
藤原 幾磨
電話 022-717-7000(代)
E-mail ifujiwara-endo@umin.ac.jp

鳥取大学医学部周産期・小児医学分野 教授
神崎 晋
電話 0859-33-1111(代)
E-mail smkanzak@med.tottori-u.ac.jp

ご寄付のお願い Contribution&Donation

国立研究開発法人国立成育医療研究センターでは、より充実した成育医療に関する調査、研究並びに医療の提供を行っていくために、研究開発、教育研修及び病院運営に対し企業や個人の皆様方から広く寄付金等を呼び掛けています。(くわしくはこちら

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次世代を支える医療のために、ご支援をお願いしております。 ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

本件に関する連絡先

国立成育医療研究センター(代表)

03-3416-0181

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


取材に関すること: 総務部総務課広報係(内線 7783)