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思春期早発症の新たな原因を解明

Gタンパク共役型受容体の機能亢進を招く新たなメカニズムを解明

国立成育医療研究センター分子内分泌研究部の鈴木研究員、深見部長らのグループは、薬剤治療研究部の山内室長、浜松医科大学小児科の緒方教授らのグループと連携し、思春期早発症患者においてPROKR2遺伝子変異を同定しました。

PROKR2は、Gタンパク共役型受容体(GPCR)の1つで、脳におけるホルモン分泌制御に関与しています。 PROKR2遺伝子は、思春期遅発症の原因遺伝子としてよく知られています。

今回同定された変異タンパクはシグナル伝達能を喪失していましたが、同じ細胞内に存在する正常なPROKR2タンパクの機能を高める作用があることが見出されました。患者さんは正常なPROKR2と変異のあるPROKR2の両方を持っていたことから、変異タンパクが正常タンパクの機能亢進を介して過剰ホルモン分泌を招いたと考えられます。

プレスリリースのポイント

  • 思春期早発症患者さんの中には、原因不明の方が多くいらっしゃいます。このような患者さんの発症原因の一部には、PROKR2変異があると推測されます。この情報は、思春期早発症患者さんの診療に役立ちます。
  • ヒトには約750のGPCRがあり、ホルモン分泌調節や感覚受容を含むさまざまな生体内機能に関与しています。これまで、GPCRの機能亢進を招く変異はごく少数しか知られていません。これらはすべて異常なシグナル伝達能を有するタンパクを作るものでした。今回同定されたPROKR2変異と同様の奇異性機能亢進メカニズムは、他のGPCR遺伝子にも生じると推測されます。
  • 今回の成果は、GPCR機能亢進に起因する新たなヒト疾患の解明につながる可能性があります。
PROKR2遺伝子変異(その1)の画像
PROKR2遺伝子変異(その2)の画像

発表論文情報

著者: Fukami M, Suzuki E, Izumi Y, Torii T, Narumi S, Igarashi M, Miyado M , Katsumi M, Fujisawa Y, Nakabayashi K, Hata K, Umezawa  A, Matsubara Y, Yamauchi J, Ogata T.
題名: Paradoxical gain-of-function mutant of the G-protein coupled receptor PROKR2 promotes early puberty.
掲載誌:J Cell Mol Med 2017 [Epub ahead of print]

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