国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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胆道閉鎖症についての勉強会を開催しました


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国立成育医療研究センター臓器移植センターおよび病理診断部では、“胆道閉鎖症ブレインストーミングの会 -胆道閉鎖症の病態を探るミニシンポジウム-”を企画し、2017年1月9日(祝)、当センター研究所セミナールームにて、胆道閉鎖症についての勉強会を行いました。
胆道閉鎖症は新生児・乳児期に発症する胆汁うっ滞性肝疾患で、本邦では毎年約100例の新規症例が登録されています。本症はこれまで多くの研究者が原因究明に力を注いできたにも関わらず、未だに原因がわかっていません。そこで、胆道閉鎖症について、どこまで究明されているのか情報を共有し、これからどのような方法で研究を進めていったらよいかを考える会を開催することにしました。
大阪大学小児科の別所一彦先生、鹿児島大学小児外科の連利博先生にはこれまで研究されてきた内容とこれからの展望をお話いただきました。東京大学獣医解剖学研究室の金井克晃先生のSOX17 ハプロ不全マウスでの胆道閉鎖症の発症メカニズムについてのお話は大変衝撃的な内容でした。慶応義塾大学小児外科の下島直樹先生にはアラジール症候群様の所見を呈した非典型的な胆道閉鎖症の病理所見を見せていただきました。当センター研究所からは、深見真紀先生、鏡 雅代先生、松本健治先生にこれまでの研究実績を含め、胆道閉鎖症についての今後の研究の方向性をご教示いただきました。いずれも非常に興味深い内容で、一つの疾患について多方面の専門家からお話を伺うことは、日々の業務の中で論文を検索しながら勉強するのとは違った新鮮さがありました。本会にはセンター内外より35名の方にご出席いただき、活発な意見交換が行われました。
当センターでは、すでに約200例の胆道閉鎖症の患者さんに肝移植術が施行されています。胆道閉鎖症の原因が究明されることによって、新たな治療法が開発されることが期待できます。1日も早く、胆道閉鎖症の原因を究明することが我々の使命と考えています。
今回共有させていただいた貴重な情報、知識をもとに研究を進めて、“胆道閉鎖症ブレインストーミングの会 第2弾”を企画したいと思います。
関係者の皆様には今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

病理診断部 義岡 孝子

胆道閉鎖症とは

胆道閉鎖症は生下時より進行性に肝臓の外にある胆管という管が詰まってしまう、原因不明の病気です。 1万~1万3千人に1人の頻度で出生するといわれており、年間100〜120人の患者さんが出生します。
診断は便の色がどうか、超音波で胆嚢が見えるかどうか、十二指腸に胆汁が流れているかどうか、シンチで胆汁の流れがどうか、を判断し確定されますが、最終的な診断は開腹手術で胆道造影をすることで診断します。肝硬変で血液を固める力が弱まりますので、頭蓋内出血・硬膜外出血で発症するお子さんもいらっしゃいます。胆汁が流れなくなると、肝臓は胆汁そのものにより障害を受けて肝硬変になります。肝硬変になると、門脈の圧力が高くなりますので、腸・脾臓にも圧力がかかっておなかがポコンと出っ張ってきます。
黄疸値(ビリルビン)が高かったり、腹水が出てきたり、胆管炎による発熱を繰り返したり、食道静脈瘤ができて出血したり、成長が悪かったり、肺内シャントができてきてしまったりした場合は、肝硬変になっている証拠ですので肝移植を考慮しなければなりません。
胆道閉鎖症に対する肝移植は肝門部空腸吻合手術(葛西手術)後のため、癒着が強く、難しい手術です。また何度も葛西手術を繰り返したり、合併症の手術をした場合、さらに移植手術が困難になりますので、小児外科医の意見以外に、移植外科医に相談したほうがいいでしょう。
移植する側から考えると、肝移植の時期は早いほうが患者さんの状態もいいので好ましいのですが、移植時期の判断は患者さんの状態、家族の都合を十分に考慮して決定すべきです。
これまで胆道閉鎖症という病気について、ゆっくり調べることができなかったご家族のために、説明資料を作りました。お子さんの病気について、理解を深めるきっかけにつながればと思います。(閲覧の際はAdobe社のAcrobat Readerが必要です。)

胆道閉鎖症早期発見のために(胆道閉鎖症早期発見のための便色カラーカード活用マニュアル)

胆道閉鎖症は、新生児および乳児の肝臓と腸を結ぶ胆管がふさがるために、肝臓から腸へ胆汁を出すことのできない病気です。わが国では平成24年4月から、胆道閉鎖症のお子さんを早期発見するための便色カードが、すべての母子健康手帳に綴じこまれています。このマニュアルは、各市区町村の母子保健担当者が、保護者の方に説明する時の参考になるように作成したものです。
なお、本マニュアルの内容や便色の判定等のお問い合わせは、健診医療機関または各市区町村の母子保健課までお願いします。

医療関係者の方へ

(PDFはこちら

各市区町村母子保健担当課の方へ

国立成育医療研究センターの診療のご案内

肝移植の適応があり主治医より当院での肝移植のお話があった際には、臓器移植センターへの紹介状の郵送、または、臓器移植センター 移植コーディネーターに直接ご連絡下さい。受診日の調整を行います。
胆道閉鎖症の葛西術後で、状態がなかなか改善しない、再手術を検討している場合など、肝移植の適応・肝移植の時期についての相談も随時受け付けております。   
肝移植が必要であると指摘され、移植施設を検討している際にもセカンドオピニオン外来でのご説明もいたしますので、いつでもご相談下さい。
  • 外来は、すべて予約 制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合 わせください。

予約センター (直通)

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月~金9時~17時 (祝祭日を除く)にお電話ください。

※他施設入院中の患者さんへ
  • 当院受診時に他施設入院中の患者さんの診察料は自費扱いとなります。
  • ご家族のみでご来院の場合も、同様の扱いとなります。
  • 他施設で診断され、当院への受診を希望される場合は、主治医の先生と相談し、当院へ紹介していただくようお願い致します。紹介状は、必ずご持参くださいますようお願いいたします。

他の医療機関からの問い合わせ先(患者転院の御依頼)

転院に際して、以下の準備をお願いします。
  • 診療録(必要な情報を含む箇所)のコピー
  • 紹介状(時間的余裕がない場合は結構です。)
  • 血液検査結果、X線検査などの画像検査のコピー

ご寄付のお願い Contribution&Donation

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本件に関する連絡先

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03-3416-0181

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取材に関すること: 総務部総務課広報係(内線 7783)