国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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~子どもと家族の力、体験をばね(レジリンス)に~

“はんなちゃんとへんちくりん”

え:ごとう ひろこ ぶん:ごとう せんや じ:ごとう えいこ

はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん
はんなちゃんとちんちくりん

推薦の言葉

こころの診療部 児童・思春期リエゾン診療科
田中恭子

2018年12月末、あと数日で新しい年を迎えようとするその日、素敵で素晴らしいこの絵本に出会いました。ご紹介くださったのは、この絵本の著者であり、そしてはんなちゃんのお父さんです。

“はんなちゃんは3歳の女の子です。おなかのなかでいたずらをするちくりんをやっつけるっためにはんなちゃんは、もしもしを何回もして痛い注射もうけないとなりません。でも、はんなちゃんより弱いちくりんは、はんなちゃんが我慢できる痛いことはとっても我慢できません、だから、いつかはんなちゃんの体から逃げていきます。”
という優しい言葉でお話が流れます。

そして、“ままもぱぱもかきとくんも、はんなちゃんのことがだいすきです”というご家族の愛情、絆が、絵本のはじまりと終わりにそっと記されています。 なぜ、この絵本に心が揺すぶられたのか、なぜ皆様にもこの絵本をご紹介したいと強く感じたのか、そのあたりを少しご説明させていただきます。 突然始まった腹痛からわかった思いもしなかったはんなちゃんのご病気、その病気の状態と治療方針を決めるうえで受けなければならなかった大人でも音を上げるような痛みを伴う処置や検査の数々。。。。医療の必要性をごまかさず、子どもを裏切らずに3歳のはんなちゃんににどのようにお話して納得してもらえるのか。。。。。病気がわかった子どもの親として、大きな戸惑い、不安も緊張の中、深いお悩みもあったことと思います。

それでも、ぱぱもままも弟君も、おじいちゃん、おばあちゃん、ご家族が一団となって、この絵本の作成にとりかかった経緯を伺いました。 実際、読み聞かせの時には、泣きそうな声で“ちくりんいやだ”というはんなちゃんでしたが、“ちくりんをおいだすまで頑張る”という、先の見えないつらかった体験が目的あるストーリーとして納得し、泣きそうだけれど、それでも医療に対して主体的に取り組もうとするはんなちゃんがいますと、パパはお話してくださいました。 つらくてしんどい出来事も、自分の中の大切な体験として一つのストーリーにして語れることを支援することは、その外傷的体験をばねにその先の精神的成長を目的としたトラウマインフォームドケアという精神医学的ケアにつながります。

昨今、子どもの医療において、命を脅かすような疾病の罹患、痛みや苦痛を伴う医療処置の体験、治療に伴う大切な人からの離別や隔離など、このような体験をメディカルトラウマ(医療にまつわる心的外傷)という言葉で表現し、それに対するケアの在り方が検討されてきています。

ケアの中で、実際に体験する(した)内容をその前後で自身の言葉や遊びの中で表現していくことを促す介入が、子どもなりの納得を促し、不安を軽減し、そのごの精神的安定やQOLにも関係することがわかってきました。この介入の一つを、心理的プレパレーションといい、日本では、とくに子ども療養支援士など(チャイルド・ライフ・スペシャリストやホスピタル・プレイ・スペシャリストなど)、看護師、また状況によっては心理士、子どものこころを専門とする医師などが行っています。

そして、私自身が感じたこの絵本の素晴らしさのさらなる2点は、あふれるばかりのご家族の愛情・絆(アタッチメント)が優しく表現されていたこと、そして子どもの主体的参加を促すために発達に応じた情報提供が工夫されていたことです。これは、子どもの権利の遵守にもつながります。

病気をもつ子どもと家族のレジリエンス(体験をもとにした精神的成長、こころのばね)にとても重要な、トラウマインフォームドケア、アタッチメントの支援のありかたや病気をもつ子どもの権利について、この絵本は、優しい語りで教えてくれている、そんな他には類をみない絵本です。

みなさまにご紹介いたしたく、絵本作成に関わった後藤さまご一家のご許可をいただき、当センターホームページに掲載させていただくことになりました。 これからも、当センターではこのような取り組みを多職種で進めてまいります。

はんなちゃんとご家族のみなさま、そして病気をもつこどもとご家族に、この絵本の素晴らしさが届き、さらなるお子様のご成長と、ご家族に絆につながりますように。

関連する書籍

  • ガイダンス 子ども療養支援~医療を受ける子どもの権利を守る~監修:五十嵐隆・及川郁子・林富・藤村正哲 編集:田中恭子 中山書店 2014年
  • ガイダンス 小児コンサルテーション・リエゾン .小児の精神と神経.第57巻増刊号 小児コンサルテ―ション・リエゾンワーキンググループ:田中恭子、古荘純一、永田雅子、辻井弘美、濱田純子
  • プレパレーションガイドブック 小児医療の現場で使える 編著:田中恭子 日総研 2006

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