妊娠中・授乳中のお薬に関する、ちょっと気になる質問・疑問にお答えします。


- 日本の産婦人科学会、産婦人科医会などでは、妊婦さんのインフルエンザ予防接種を推奨しています。インフルエンザワクチンなどの不活化ワクチンは、妊婦さんが使用しても問題ないと考えられています。
麻しん、風しん、水痘、ポリオなどの生ワクチンについては、妊婦さんには接種しないことになっています(流行などの状況によっては生ワクチン接種が必要な場合もあります)。


- 湿布薬であっても同時に大量使用すると血液中の薬物濃度が上がる可能性があります。
消炎鎮痛剤の成分によっては妊娠末期の使用によって動脈管早期閉鎖を起こす危険性がありますので、医師、薬剤師にご相談ください。


- 生薬、ハーブだから安心ということはできません。
妊娠中の便秘に対しても、酸化マグネシウム、センナ、センノシド、ピコスルファートなどの下剤を使用することがありますので、医師にご相談ください。


- ビタミンBの一種である「葉酸」は、食品からの摂取に加えてサプリメントから1日0.4mgを摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することが期待できるとして、妊娠前から妊娠中の摂取が推奨されています。
それ以外のサプリメントについては、欠乏症でない限り、特に使用を推奨するものはありません。 ビタミンAに関しては、特に妊娠初期に過剰摂取すると先天異常の原因となる可能性があるとされていますので、サプリメントの使用には注意が必要です。


- 妊娠中のアルコールや喫煙は、胎児発育遅延や先天異常などを起こす可能性があるといわれています。「このくらいまでなら大丈夫」という量がわかっていませんので、全妊娠期間を通じて、禁酒・禁煙をすることをおすすめします。
カフェインの大量摂取は、流産、低出生体重児などの原因となる可能性があるとされていますので、コーヒーなどのカフェイン飲料の飲み過ぎには注意が必要です。


- 妊娠するとほとんどのビタミンの必要量が増えますが、特にビタミンB群のひとつである葉酸は重要です。その理由は、葉酸サプリメントを妊娠前から妊娠初期の間に摂取することによって、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことができると報告されているからです。


- 厚生労働省では、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、食品からの摂取に加えていわゆる栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取すること、特に神経管閉鎖障害のお子さんを妊娠したことのある女性は医師の管理下で葉酸を摂取することを勧めています。また、抗てんかん薬などを服用している場合にも葉酸が不足しやすくなるので、医師の管理下での葉酸摂取が勧められます。葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜にも多く含まれていますが、水溶性で熱に弱く、調理によって多くが失われてしまうので、サプリメントの使用が勧められます。
注:すべての神経管閉鎖障害が葉酸の摂取不足が原因でおこるわけではありません。









