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脳死肝移植

脳死肝移植とは

脳死肝移植とは、亡くなった方がご自分の身体の一部を活かしてほしいと願い、プレゼントしてくださった大切な肝臓を、病気のお子さんの肝臓ととりかえる方法です。

脳死肝移植の画像
脳死肝移植

この治療法は薬剤や点滴、そして移植以外の手術を行っても、これ以上肝臓の回復を期待することが極めて難しい、と判断される場合に選択されます。脳死肝移植は海外では多く行われ、現在アメリカやヨーロッパでは年間8,000例以上もの脳死肝移植が行われています。レシピエントご本人とその家族は肝臓を提供して下さったドナーのお名前や年齢、住所等、一切を知ることができません。しかしこの脳死肝移植は、脳死になった方とそのご家族の尊いお気持ちのおかげで成り立つものである、ということを忘れてはいけません。

肝移植を行うという点では脳死肝移植と生体肝移植は同じです。手術や免疫抑制療法等、詳しくは生体肝移植のページをご参照ください。しかし次の2点は生体肝移植と大きく異なると言えるでしょう。脳死肝移植を希望されるお子さんや保護者の方々は、しっかりとご理解いただく必要があります。

手術時期

脳死ドナーが現れてからはじめて手術を行うことができるため、手術日はわかりません。手術予定日があらかじめ計画されている生体肝移植(待機手術)とは異なり、レシピエントとなるお子さんの身体、心の準備、そして家族内での手配等を、十分時間をかけて行うことが難しくなります。脳死ドナーが現れたら、いつでも手術に臨むことができるように、日頃から心構えが必要とされます。またドナーが現れても、レシピエントの状態等、様々な理由によって取りやめになることもあります。

当センターで脳死肝移植手術をご希望になる場合は、まず当センター移植外科にて診察・検査・面談の上、当センター脳死肝移植適応評価委員会でお子さんに対する脳死肝移植の妥当性について審議されます。また臓器移植ネットワークにレシピエント登録していただきます。

脳死ドナーが現れたら、様々な過程を経てレシピエントが決定されますが、お子さんがレシピエントになる場合は、当センター レシピエント・コーディネーターから保護者の方へ連絡し、すぐに入院していただくことになります。2度の厳密な脳死判定の後に、臓器提供手術が行なわれ、レシピエント手術が行なわれます。 

提供された肝臓の働き具合

脳死ドナーは生体ドナーと異なり、肝臓の専門的な検査が受けたり、肝臓の状態を改善するための食事・運動療法を行っていたわけではありません。そのため移植後、ドナーの肝臓がどれだけ元気にしっかり働いてくれるか、ということは誰にもわかりません。また移植手術自体はとてもうまくいっても、移植された肝臓がまったく働かない場合もあります。起こる頻度はそれほど多くありませんが、これがわかるまでに1~2日かかります。これは原因不明であるため、防ぎようがありません。移植された肝臓が働いていないと診断された場合は、再度移植を行う必要が出てきます。またレシピエントの元々の病気の具合によっては、移植された肝臓がしっかり働くために時間がかかることがあり、このような場合には感染症が発生するリスクが高くなります。

脳死肝移植における臓器提供について

1997年に臓器移植法が施行され、2010年7月には同法が改正され、脳死となった15歳未満のお子さんからもご家族の承諾があれば臓器提供ができるようになりました。脳死ドナーから提供された肝臓を移植する脳死肝移植について、ご不明な点がございましたら、国立成育医療研究センター 臓器移植センター(Email: transplant@ncchd.go.jp)までお問い合わせください。

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