腎臓・リウマチ・膠原病科

腎臓病について     

リウマチ・膠原病について


腎臓病について

国立成育医療研究センター腎臓科は、平成14年3月の国立成育医療センター開設時に新たに作られた診療科で、小児期から思春期、成人期に至るまでのすべての腎疾患を診療しています。

豊富な臨床経験と研究実績があり、エビデンスに基づいた最新の医療を提供いたします。また、小児難治性腎疾患の病因・病態の解明や、より有効で安全な治療法の開発にも取り組んでいます。

外来診療について

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対象疾患・専門分野


ネフローゼ症候群の診断・治療 頻回再発型ネフローゼ症候群やステロイド抵抗性ネフローゼ症候群などの難治性ネフローゼ症候群に対する最新の治療を提供します。
難治性ネフローゼの患者さんへの治験も行っています。
慢性腎炎の診断・治療 IgA腎症、紫斑病性腎炎などに対するエビデンスに基づいた治療を提供します。
遺伝性腎疾患の診断・治療 アルポート症候群、家族性血尿、先天性ネフローゼ症候群、先天性腎尿路奇形、バーター症候群などの診断(一部の遺伝子診断も含む)・治療を提供します。
学校検尿等で発見された
血尿・蛋白尿の管理・治療
蛋白尿が持続する場合には、将来、腎機能障害が生じる可能性があり、そのような症例には腎生検による診断をもとに適切な治療を行います。
急性腎不全・慢性腎不全
に対する血液透析・腹膜透析。
劇症肝炎、川崎病、代謝疾患
に対する血漿交換療法
などの血液浄化療法
当センターでの血液浄化療法はすべて当科が中心となって行っております。 小児への急性血液浄化療法の年間施行数(300~400回)は全国最多の実績です。
腎移植 長期透析による成長障害、腹膜硬化症や心血管系合併症が高い確率で起こること、透析期間が短い患者ほど腎移植の成績がよいこと、透析よりも腎移植のQOLが明らかに向上するなどの理由から、腎不全患者には積極的に腎移植をすすめています。
腎炎、腎病変を合併する
リウマチ性疾患の診断・治療
全身性エリテマトーデス、結節性多発性動脈炎、ANCA抗体関連腎炎、混合性結合組織病等腎障害をともなうリウマチ性疾患の治療を提供いたします。
医長の伊藤は日本リウマチ学会の専門医、指導医です

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実績


平成21年3月1日現在

ネフローゼ症候群 初発 15~20例/年
頻回再発型ネフローゼ症候群 5~6例/年
ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群 3~4例/年
IgA腎症・その他腎炎 新規症例 5~10例/年
全身性エリテマトーデス 新規症例 5~7例/年
透析導入 新規透析導入 5~10例/年
腎移植 新規症例 4~6例/年
腎生検 約100例/年

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その他


  • 日本小児腎臓病学会では、わが国の小児腎臓病領域において「エビデンスに基づく診療(科学的に効果が証明されている治療)」を普及させるために、治療ガイドラインを作成しています。詳しくは、日本小児腎臓病学会ホームページ(http://www.jspn.jp/)の“ガイドライン作成・学術調査活動について”をご覧ください。「小児特発性ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン1.0版」(http://www.jspn.jp/0505guideline.pdf)、「小児IgA腎症治療ガイドライン1.0版」(近々に日本小児腎臓病学会ホームページにアップ予定)の作成には、当科の亀井および前医長の飯島が関与しています。
  • 小児難治性腎疾患の、より有効で安全な治療法の開発を目指して、頻回再発型ネフローゼ症候群、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、小児IgA腎症、腎移植を対象とした全国多施設臨床試験を実施中です。さらに、小児難治性ネフローゼ症候群を対象としたリツキシマブの医師主導型治験も進行中です。
    難治性ネフローゼ症候群でお困りの方はご相談ください。
  • ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の疾患遺伝子同定研究や、腎低形成(先天性腎尿路奇形)、バーター症候群やアルポート症候群の遺伝子診解析研究を他施設と協力して行っています。

    また、ネフローゼ症候群の免疫異常についての研究を当センター研究所と共同で行い、将来は新たな治療法の開発につなげたいと考えています。

  • 伊藤、亀井は東京「腎炎・ネフローゼ児」を守る会(http://members.aol.com/jinnef/index.html)のアドバイザーとして、患者会の運営にも協力しています。
  • 相談のみでも結構です。詳しい情報をお知りになりたい方は、下記までご遠慮なく御連絡ください。
    〒157-8535  東京都世田谷区大蔵2丁目10-1  国立成育医療研究センター腎臓科
    TEL:03-3416-0181(大代表) / FAX: 03-5494-7136
    医員 亀井 宏一(かめい こういち)
    医長 伊藤 秀一(いとう しゅういち)

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ネフローゼ症候群について

ネフローゼ症候群の原因は今なお不明ですが、「リンパ球が産生する病気の原因となる未知の物質が腎臓の内部の糸球体という部位の血管のバリアーの性質を変えてしまい、正常では蛋白を通さないバリアーから蛋白が大量に尿の中に漏れ出てしまう」という説が有力です。 小児のネフローゼ症候群の大半は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)に反応して蛋白尿が消えてしまうステロイド反応性ネフローゼであり、通常、腎機能が悪くなる(これを腎不全と言います)ことはありません。しかし、ステロイドに反応して蛋白尿が消えても、約3分の2の人が再発を経験します。
1年に1、2度ぐらいの再発頻度であればステロイドの副作用はほとんど問題になりませんが、1年に3、4回以上再発を繰り返すようないわゆる頻回再発型ネフローゼの場合には、多くの例でステロイドの副作用が出現するため、ステロイドの減量や中止を目的としてシクロスポリン(ネオーラル)やシクロホスファミド(エンドキサン)やミゾリビン(ブレディニン)などの免疫抑制剤を投与することが必要になってきます。ただ、このようなケースでも時間の経過とともに再発頻度も減っていき、思春期以降は再発しなくなる可能性が高いと考えられています。 しかし、なかにはステロイドを減量すると再発を繰り返してしてしまうお子さんや免疫抑制剤が有効でないお子さんもおり、大きな問題となっています。現在、当科ではそのような難治性ネフローゼに対して、リツキシマブという新しい薬の治験を行っています。
一方、ネフローゼ症候群の中には、ステロイドを投与しても蛋白尿が消えない、いわゆるステロイド抵抗性ネフローゼの方もおられます。このような場合には腎生検による腎組織の評価(どのような種類のネフローゼなのか?)が治療方針を決定する上で非常に重要です。従来、このようなステロイド抵抗性ネフローゼの中には、腎不全に進行するケースがしばしばありましたが、最近では治療法の進歩により腎不全に進行する割合も減少しつつあります。


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慢性腎炎について

慢性腎炎は、その多くが免疫の異常により起こると推測されていますが、詳しい原因はほとんど分かっていません。突然、赤色や茶色の尿(肉眼的血尿)やむくみが現れて見つかる場合もありますが、大半は学校検尿などで蛋白尿や血尿をはじめて指摘されて発見されます。つまり、日本では学校検尿のおかげで非常に早期に慢性腎炎が発見されることが多いのです。しかし、早期に腎炎を発見された多くの人は、何の自覚症状もなく、「血液検査でも腎機能は悪くないし、何処も痛くもないし、体がだるいわけでもないので、ほっておいても大丈夫」と考えがちです。しかし、そこが慢性腎炎の恐ろしいところです。慢性腎炎の中には、何の症状もなく、ゆっくりと進行して腎臓を壊していくようなタイプのものが数多くあります。特に、持続的に蛋白尿が見られる場合には腎障害が進行している可能性があり注意が必要です。実は、腎臓の4分の3以上が壊れてしまわないと血液検査での腎機能の低下は現れてきません。ようやくそのころになって初めていろいろな自覚症状もあらわれてきます。しかも、いったん壊れてしまった腎組織は元には戻りません。また、ここまで腎臓が壊れてしまうと、残った腎組織も今まで以上に働かなくてはいけない状態になり過労死してしまい、どんな治療をしても結局は腎不全に進行してしまうことが多いのです。
しかし、最近では慢性腎炎の治療法も進歩し、早期に発見され適切な治療を受けた場合には、腎不全への進行を防ぐことが可能になってきました。したがって、どのような慢性腎炎にかかっているのか早期に診断し、早期に適切な治療を開始し継続して経過観察していくことがもっとも重要です。
「自覚症状がないから大丈夫」という判断は非常に危険です。 学校検尿等で異常を指摘された方は、必ずはやめに専門医に相談して下さい。


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ネフローゼ症候群・慢性腎炎患者様の食事・運動について

一般に、蛋白尿の多い時、むくみがある時、ステロイドを服用している時には、体内に塩分がたまり、むくみが悪化したり、血圧が高くなることがありますので、塩分を控えめにする必要があります。また、ステロイド服用中は、薬の副作用で非常におなかがすいてしまい、食べ過ぎて急激に太ってしまう可能性がありますので、食事内容には注意が必要です。尿蛋白が陰性あるいは軽度でステロイドも服用していない場合には、基本的には塩分制限の必要はありません。蛋白制限は、小児の場合は特別な場合を除いて原則的には行いません。それは、蛋白質が頭と体の成長に欠かせないためです。この点は成人の腎臓病と全く異なっています。

大量のステロイドを服用している場合や血圧が高い場合、腎機能が悪い場合を除いては、学校の体育程度の運動は可能です。血尿だけで蛋白尿がない場合やごく軽度の蛋白尿の場合には運動クラブも可能です。はっきりした蛋白尿(2+以上)やむくみが持続している場合や腎機能が悪い場合には、軽い体育は問題がないことがほとんどですが、激しい運動クラブ活動やその他の激しい運動(マラソンや水泳)は控える方が安全な場合もあります。 腎炎やネフローゼの子供たちへの運動の制限の有効性に関しては、科学的な根拠がありません。ある程度の運動は、ステロイドによる骨粗鬆症や肥満を減らし、免疫力を高め、成長にも必要です。日本でも欧米でも小児腎臓専門医の多くは不必要な運動制限を行わない事が殆どです。


家庭検尿、ノート作成のすすめ

子どもさんの病気の状態を把握するために、ご家庭で適宜、早朝尿(朝一番のオシッコ)のチェックをし、記録していただくことは非常に有益です。また、ステロイド(プレドニン)やシクロスポリンなどを内服している場合、その服用を確認する意味でも、ノートをつけていただきたいと思います。


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腎移植について

腎移植は腎機能が喪失・低下した人に、その機能を回復させるために、適合する提供者(ドナー)の健康な腎臓の片方を移植することです。現在では、血液型が違っても移植は可能となっています。腎移植により、腎不全による様々な症状がすみやかに消失します。また、長時間の透析治療、食事制限、運動制限からも開放されます。このように、成長期の子どもにとって、精神的にも肉体的にも腎移植は慢性腎不全の診療で最も利点が大きく優れた治療です。腎移植には、健康なご家族から腎臓を頂く生体腎移植と亡くなられた方から腎臓を頂く献腎移植があります。また、腹膜透析や血液透析を経てからの移植(透析後移植)と、透析を導入する前に早めに行う移植(preemptive腎移植)の2つがあります。

提供者(ドナー)は日本移植学会の倫理指針により親族に限定されます。ドナーとして適切か否か術前検査を行い、感染症、糖尿病、高血圧、悪性腫瘍などがなく腎機能が正常であることを確認しています。また、下記の条件が必要です。

  1. 1. 自発的に腎臓の提供を申し出ていること。
  2. 2. 決して見返りのない善意の提供であること。
  3. 3. ドナーの手術の安全性・リスクを十分理解し、術前・中・後の医学的ケアに協力できること。
  4. 4. 医学的に心身ともに健康な成人であること。

レシピエント(腎移植を受ける側)の手術は全身麻酔で行い、提供された腎臓を(右または左)下腹部の骨盤内に移植します。多少の誤差はありますが6~8時間の手術です。移植後は、移植した腎臓に対する拒絶反応を抑えるため、免疫抑制剤を飲み続ける必要があります。現在、小児の腎移植の長期生着率は昔に比べてはるかに良くなり、10年生着率は80%以上です。腎移植についてもっと知りたいことがあれば、いつでも御相談下さい。


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腎臓科が主導する臨床研究について

腎臓科では以下の臨床研究を主導しています。

①「小児の急性血液浄化の全国規模の実態調査および標準的治療指針の作成」
のための調査
研究期間: 平成19年4月1日から平成21年3月31日まで


小児における急性血液浄化療法の実施状況について全国規模でアンケート調査を行っています。小児に対する急性血液浄化療法は、技術や機器の進歩により、近年になり比較的容易に行うことが可能となりました。わが国での小児に対する本療法に関する調査は、約10施設で構成される小児血液浄化検討会(静岡小児病院 和田尚弘代表)の調査による年間施行症例数の集計結果(約60例)のみです。わが国における小児に対する本療法の大規模な実態調査は、現在まで十分なされておらず、施行患者数、対象疾患、転帰、予後、実施環境等の正確なデータはありません。本療法は年間100~200人の患者に様々な状況で施行されているものと推定されます。このたび、小児(15歳以下)に対する急性血液浄化療法の実施状況について、全国規模で調査を行うことになりました。調査項目は、患者背景、対象疾患、血液浄化療法の種類、実施環境、予後と転帰、患者受け入れ態勢等とし、その評価と問題点の検討を行います。

この実態調査の結果をもとに、
1. 国内地域別に本療法の年間新規施行患者発生数を予測し、国内小児血液浄化療法施行施設の必要数を算出するとともに、本療法を実施する上での問題点を地域別に分析し、本療法が地域格差なく施行できる実現可能な医療体制について提言します。
2. 本療法の普及及び医療の向上(早期診断・早期治療)を目的とし、一般医を対象とした本療法の治療の手引きを作成します。指針には、小児に対する本療法の適応疾患や開始基準、本療法の種類とその選択、実施方法、合併症、小児本療法施可能施設の一覧表等を記載する予定です。さらにこの手引きの普及を関係各学会と協力して行うことも視野に入れています。

調査票の内容は、
① 施設の実施体制についての施設調査、
② 患者ごとの詳細な情報を得るための患者調査、の二点です。

注)血液浄化療法は急性のみでなく、準急性も含めます。またnon-renal indicationも含めます。具体的には、急性腎不全、急性肝不全、多臓器不全、高アンモニア血症、敗血症へのPMX、様々な疾患の症状改善目的の血漿交換やDFPP、IBD増悪への白血球除去、循環器あるいは腎移植後の急性腎不全、ECMOと併用した透析等です。

本調査が、より良い小児急性血液浄化療法の普及と理想的な医療体制構築のために実施されます。調査票の返送を持って、本調査に御同意いただいたものとみなさせていただきます。また、調査票返送後に、調査協力の撤回をご希望の場合には、平成21年12月20日までに下記の代表者にご連絡ください。
個人情報の保護については、疫学研究に関する倫理指針に則って、調査票を作成します。当センターの倫理審査委員会で承認を得た後、本研究を実施します。連結可能匿名化データ化のもと調査を行い、集計された結果のみを国内外の学術雑誌・集会などに公表するため、個人情報は保護さます。また、本研究における利益相反はありません。

調査研究代表者
〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1
国立成育医療研究センター 腎臓科 
医長 伊藤秀一

② 小児期発症難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブの適応外投与状況の全国調査
研究期間:平成22年1月1日から平成25年12月31日まで(約4年間)


国内の小児期発症難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブの適応外使用の現状についてアンケート調査を行います。リツキシマブは抗CD20モノクロナル抗体であり、わが国では非ホジキンリンパ腫にのみ適応があります。しかし、近年になりネフローゼ症候群等にも有効性が報告されるようになり、小児難治性ネフローゼ症候群については、すでに保険収載を目標に医師主導型治験が開始されています。本研究は、治験登録症例以外でリツキシマブを適応外使用された小児期発症難治性ネフローゼ症候群患者に関する調査研究です。リツキシマブの対象、使用法、効果、副作用等についてアンケート調査を行い評価します。

研究の意義は、
1.小児期発症難治性ネフローゼ症候群へのリツキシマブ療法の適応外使用の現状と問題点を明らかにする。
2.現在進行中の治験の必要性と保険収載の必要性の根拠となる、の2点です。

アンケート調査を埼玉県立小児医療センター、 あいち小児保健医療総合センター、神戸大学病院、群馬大学病院、大阪市立総合医療センター、東京女子医大病院 、鹿児島大学病院 、弘前大学等、国内の小児腎臓専門施設を対象に実施いたします。調査票の返送を持って、本調査に御同意いただいたものとみなさせていただきます。また、調査票返送後に、調査協力の撤回をご希望の場合には、平成22年12月31日までに下記の代表者にご連絡ください。
個人情報の保護については、疫学研究に関する倫理指針に則って、調査票を作成します。当センターの倫理審査委員会で承認を得た後、本研究を実施します。連結可能匿名化データ化のもと調査を行い、集計された結果のみを国内外の学術雑誌・集会などに公表するため、個人情報は保護さます。また、本研究における利益相反はありません。

調査研究代表者
〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1
国立成育医療研究センター 腎臓科
医長 伊藤秀一

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