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妊娠と高血圧


  • 妊娠すると血圧に変化はありますか?
    • 妊娠中、血圧は特徴的な動きをします。妊娠成立後よりゆるやかに降下(生理的血圧降下)し、妊娠20週付近で最低値となります。その後出産(妊娠40週前後)にむけてゆるやかに上昇し、妊娠前血圧まで上昇します。生理的血圧降下は妊娠のごく初期から始まるので、妊娠前に血圧測定をしていない場合、妊娠によって下がった血圧をみて、自身の血圧値を過小評価している女性も少なくないのです。妊娠前より血圧測定の習慣を身につけ、自身の血圧を知っておくことが大切です。

  • 高血圧の女性が妊娠した場合、なにか問題はありますか?
    • 妊娠前または妊娠20週未満で高血圧がある場合を「高血圧合併妊娠」といいます。高血圧合併妊娠では正常血圧女性の妊娠と比較して妊娠高血圧症候群(高血圧合併妊娠女性が妊娠高血圧症候群を発症する場合、「加重型妊娠高血圧腎症」といいます。)や早産、胎児発育遅延、常位胎盤早期剥離、帝王切開率の増加などが報告されています。妊娠前から自分の血圧がどの程度なのかは把握しておきたいものです。日本高血圧学会では、収縮期血圧140㎜Hg以上、または拡張期血圧90㎜Hg以上を高血圧と定めています。(図参照)妊娠・出産時のリスクを最小限に抑えるために、この数値未満に血圧をコントロールしておくことが最低条件といえます。

  • 血圧に関して、妊娠前から気をつけることはありますか?
    • 普段から家庭血圧を測定する習慣を身につけましょう。病院などの特殊な環境(病院で測定する血圧を診察室血圧といいます。)ではなく、家でリラックスした状態で測定するので、より普段にちかい血圧を知ることができます。家庭血圧計は手首用ではなく上腕用を選ぶようにしましょう。血圧測定は1日に2回朝と晩に行います。朝は起床後1時間以内、排尿後、座位1~2分の安静後、朝食前に、また晩は就寝前、座位1~2分の安静後に測定します。測定値はすべて記録しておきます。家庭血圧と診察室血圧では高血圧基準が異なります。(図参照)家庭血圧で収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上の場合は高血圧です。病院を受診して医師に相談しましょう。


      高血圧を予防する生活習慣も大切です。表を参考にご自身の生活スタイルを見直してみましょう。また、すでに高血圧がある方は、生活習慣の改善のほかに降圧薬による治療が必要となる場合があります。妊娠中に安全に使用できる降圧薬もありますので、専門の医師を受診してください。

  • 妊娠中に気をつけることはありますか?
    • 高血圧女性の妊娠中の血圧管理は、妊娠週数との兼ね合いもあり複雑です。そのため専門のクリニック受診をおすすめします。妊娠中にも安全に使用できる降圧薬もありますので、医師が必要と判断した場合には降圧薬による加療が必要と考えられます。生活習慣では、妊娠前と同じように塩分を1日6g未満に抑える必要があります。(妊娠高血圧症候群の場合は1日7~8g程度の塩分制限で、高血圧合併妊娠の場合と目標が異なります。)また、家庭血圧測定をして、その結果を主治医に提示してください。

  • 産後に気をつけることはありますか?
    • 分娩が終了し、母体のからだが妊娠前の状態に戻るまでを産褥期といいます。産褥期は血圧が上がりやすく、とくに出産から3~6日に血圧値がピークに達するという報告もあります。そのため脳卒中に関連した母体死亡の頻度が高まるため注意が必要です。産後は生まれてきた赤ちゃんのお世話や授乳などでゆっくり眠れる時間も少なく、さらに血圧が上がりやすい環境といえるでしょう。授乳中に安全に使用できる降圧薬もありますので、主治医の指示に従って必要があれば降圧薬を飲み、ご自身の健康も赤ちゃんも両方大事にしてください。

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