国立成育医療研究センター>センターからのお知らせ>倫理委員会>平成20年度審議課題名及び議事要旨>第4回倫理委員会
第4回倫理委員会
| 開催日時: | 平成20年7月31日(木)14:00~20:00 |
| 開催場所: | 国立成育医療センター1階 会議室11 |
| 出席委員: | 名取委員長、松井副委員長、磯部委員、奥山委員、掛江委員、 亀井委員、北川委員、斉藤(理)委員、齋藤(有)委員、高山委員、 藤本委員、松下委員 |
| 審議課題数 | 6件(承認5件、継続審査1件) |
| 受付番号307 | 高インスリン血症(Nesidioblastosis)児の摘出膵臓検体からのヒト膵β細胞株の樹立(緊急審査) |
|---|---|
| 受付番号311 | ヒト膵臓β細胞を用いた創薬研究(緊急審査) |
| 受付番号308 | 搾乳器を使った母乳中の細胞成分の除去方法の評価 |
| 受付番号313 | 子どもの心の診療システムのあり方に関する研究 |
| 受付番号314 | 胎児診断により出生直後から治療し得た先天性横隔膜ヘルニアの治療成績:胎児治療の適応基準に向けて |
| 受付番号312 | 出産体験と育児行動に関する縦断的検討 |
| 受付番号305 | ヒト肝細胞の培養・保存法の確立及びその使用に関する研究 |
| 受付番号309 | 早産・低出生体重児増加要因の分析とその結果に基づく予知・予防対策に関する研究 |
受付番号307
高インスリン血症(Nesidioblastosis)児の摘出膵臓検体からのヒト膵β細胞株の樹立(緊急審査)
- 申請者
- 堀川 玲子
- 申請の概要
- 極めて稀な疾患である先天性高インスリン血性低血糖症で、治療に膵摘出術を必要とした場合の摘出膵臓検体から細胞を単離し、膵前駆細胞培養用に至適化された培養系を用いた継代培養、免疫不全(NOD/scid)マウスの腎皮膜下移植による継代操作、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子導入(Bmilなど)によりヒト膵β細胞株の樹立を試みる。樹立された細胞株を用いて三次元培養および細胞移植によるヒト膵島の再構成を試みる。
- 審議経過
- 平成20年7月7日倫理委員会(緊急審査)
本申請について、当該対象疾患の稀少性、ならびに治療的介入の必要性及び緊急性を認め、当該患者を対象とする研究申請を承認とする。
但し、今回申請の症例のみに対する承認であることから、研究計画書ならびに説明文書・同意書を、当該患者を対象としたものであることが明確になるよう全体を修正すること。なお、具体的には以下の通りであり、修正された箇所の確認については委員長一任とした。- ① 本申請が緊急性を要する理由を、申請書および研究計画書に記載すること。
② 計画書・説明文書・同意書中の研究への「参加」を「協力」に統一すること。
- ③ P5.「研究対象」欄の下2行は、当該患者には該当しない記述であるので、削除すること。
④ 計画書、説明文書の「メリット・デメリット」欄に、この研究は未だ基礎研究の段階であり、人に応用されることは無いことを追記すること。
⑤ 説明文書の「研究参加の自由と撤回権」欄に、「あなた(お子様)」との表現があるが、当該対象患者は0歳児であることを踏まえ適切な表現に修正すること。
⑥ 当該対象症例に対して、同時に類似の研究協力の依頼がなされることから、被験者(保護者)が理解しやすいよう、双方の説明文書・同意書の項目名ならびに項目順序をできるだけ統一すること。
また、本申請について、さらなる患者を対象に含めて継続する場合には、別途倫理委員会の審査・承認を経ること。- 審査結果
- 緊急審査における審査結果(承認)を委員長より報告し、了承された。
- 判定
- 承認
受付番号311
ヒト膵臓β細胞を用いた創薬研究(緊急審査)
- 申請者
- 藤本 純一郎
- 申請の概要
インスリン分泌異常症の患者における手術の際生じる廃棄予定の膵組織を用いて、膵β細胞の分離培養保存を行い、インスリン分泌機構の解明とともに創薬研究に応用を図る。
- 審議経過
平成20年7月7日倫理委員会(緊急審査)
本申請について、当該対象疾患の稀少性、ならびに治療的介入の必要性及び緊急性を認め、当該患者を対象とする研究申請を承認とする。
但し、今回申請の症例のみに対する承認であることから、研究計画書ならびに説明文書・同意書を、当該患者を対象としたものであることが明確になるよう全体を修正すること。なお、具体的には以下の通りであり、修正された箇所の確認については委員長一任とした。
①本申請が緊急性を要する理由を、申請書および研究計画書に記載すること。
- ②同意の撤回に関しては、匿名化をしてはいるが、手続き上同意の撤回を受けることが可能であることから、同意の撤回権を保障するよう修正すること。(具体的には、P6.計画書「研究参加の自由と撤回権」の最終行の記述、ならびにP10.説明文書「ご承諾について」欄の下3行を削除し、同意撤回の方法を記載すること。)
- ③④ 計画書、説明文書の「メリット・デメリット」欄に、この研究は未だ基礎研究の段階であり、人に応用されることは無いことを追記すること。
- ④説明書、同意書については、横浜市立大学と項目名、項目順序を出来るだけ揃え、理解し易い形に調えること。
また、本申請について、さらなる患者を対象に含めて継続する場合には、別途倫理委員会の審査・承認を経ること。
- 審議結果
緊急審査における審査結果(承認)を委員長より報告し、了承された。
- 判定
- 承認
受付番号308
搾乳器を使った母乳中の細胞成分の除去方法の評価
- 申請者
- 山口 晃史
- 申請の概要
- 母乳を介した母子感染には母乳中のウイルスとウイルスに感染した細胞の両者が関与していると考えられていたが、我々は、ウイルス粒子は母乳中で短時間に不活性化される事と、それとは反対に細胞は長時間生存可能である事の両者を解明し、母乳を介した母子感染には細胞成分が重要であることを証明した。従って、母乳中の細胞を除去する事により母乳を介した母子感染の予防が可能であると考えられ、当研究では細胞成分を除去する事のできるプロトタイプの搾乳器を使い、完成度の高い搾乳器を作成する為の情報をいただく事を目的とする。
- 審議結果
本研究の医療・医学上の意義を認め、かつ倫理的に妥当と判断し、承認する。但し、以下の点について加筆・修正すること。
P77:4.「背景」欄の‘計時的な変化’の誤字を訂正すること。
P81:1.「研究の目的」欄に“健常人ボランテイアを対象としている”旨を明記する。
P81:2.「研究の方法」欄の冒頭に“今回お願いする研究は、2つの研究で成り立っている”旨の説明を追記すること。2-1「細胞成分の除去」欄に“搾乳の手順の絵を追加し規定の量に達しなくても問題がない”旨を追記すること。
P81:2-3「「その他」欄に“搾乳器の使いやすさの評価を依頼することを明示し、‘別紙のアンケート’について”追記すること。
P81:3.「研究の有益性」欄の‘HIV母子感染’を‘母乳を介した母子感染’に修正すること。
P87.P88「臨床情報シート1,2」は“搾乳器の使用感に関するアンケート”とわかる標記をすること。「臨床情報シート2」の番号を整理すること。- 判定
- 承認
受付番号313
子どもの心の診療システムのあり方に関する研究
- 申請者
- 奥山 眞紀子
- 申請の概要
子どもの心の問題に関する専門的病院を初診または再診で受診した患者とその保護者(N=3000)を対象とする。診察を担当した医師から研究への参加を依頼し、主訴や受診過程(受診までの時間等)について質問紙を用いて調査する。始めの一週間のみ医師による患者の診断名や生活困難度、他機関連携に関する調査も同時に行い(N=3000)、主訴と専門性とのミスマッチなどを解析する。同一の調査を2年後に行い比較する。
- 審議結果
本研究の医療・医学上の意義を認め、かつ倫理的に妥当と判断し、承認する。
但し、以下の点について加筆・修正すること。
P245:実施期間を修正すること。
P245,247:メリットの「専門家に伝えることはできます」を「社会に伝えることはできます」に修正し、それに続く‘しかし、同時に’を‘デメリットとしては’に修正すること。
P259及びP268に「後でまとめて記入する場合は個人情報を残さないように注意すること」を追記すること。
P260:3)のァ)は設問番号を削除し、‘上記で「①ある」とお答えの方・・・・’とし、機関の区分を整理した上、‘⑥その他’には自由記述用の( )を加えること。- 判定
- 承認
受付番号314
胎児診断により出生直後から治療し得た先天性横隔膜ヘルニアの治療成績:胎児治療の適応基準に向けて
- 申請者
- 左合 治彦
- 申請の概要
先天性横隔膜ヘルニア(CDH)に対する胎児治療が開発されたが、予後が改善されるかどうかは不明ある。そこでCDHに対する理想的な生後治療(胎児診断によって可能となった、高次医療施設における生直後からの治療)の成績を把握する。生命予後あるいは機能的予後が不良となる患児の集団(胎児治療の適応)を同定し、予後因子を探索する。
- 審議結果
本研究の医療・医学上の意義を認め、かつ倫理的に妥当と判断し、承認する。
但し、以下の点について加筆・修正すること。
P278.10「研究参加の自由と撤回権」欄に“情報公開するホームページ名を具体的に記載”すること。
P281「注意事項」欄の2つ目の「調査票が届いた時点での既存データ」を‘調査票が届いた時点で貴施設が保有している既存データ’とすること。
P293「研究実施計画書」にある「項目番号」を整理すること。- 判定
- 承認
受付番号312
出産体験と育児行動に関する縦断的検討
- 申請者
- 佐々木 和子
- 申請の概要
本研究は、自然分娩、無痛分娩を選択した女性を対象に、「出産の体験」、「母子健康状態」「赤ちゃんへの感じ方」および「育児行動」について縦断的にに比較検討することを目的に実施する。出産方法による違いと特徴が明らかにされ、対象の理解を深めると共に臨床助産ケアの検討に資することができる。
- 審議結果
P349(2)[対象と方法]欄に、面接者10名の抽出方法(無作為等)を明記すること。
P353.5「研究対象」欄に、出産を予定している妊婦のうち、病棟の看護師が適切としたものとすること(プロトコールも併せて修正)。また、単胎のみを対象とする場合、それに併せて計画や質問票を修正すること。
P367.4「研究対象」欄に、“病院で参加対象と決定した者”を追記すること。
P381:「看護師長 助産師濱岡幸加子及びスタッフを共同研究者としていますが」を‘看護スタッフの協力を得ていますが’に変更すること。
P391以降の“依頼文”は“フェイスシート”に修正すること。“質問紙”はフェイスシートのレイアウトや全体の構成など可能な限り実際に使用するものがわかるように体裁を整えること。
P393.2.「ご家族はあなたを含んで何人ですか」に、ここで聞いている“家族”の説明を追記すること。 4.「あなたは、今お仕事をお持ちですか」で「①はい」に(産休・育休中を含む)を追記すること。 5.「今回の妊娠を機会にお仕事上の変化がありましたか」欄の冒頭に、「上記で①と答えた方は」を追記すること。 9.「あなたの世帯の・・・・・・」欄の収入の区分を再考すること。
P399.1:母子手帳を参考にすることを追記すること。本調査の対象となる妊婦には、外来担当者による情報提供等によるバイヤスがかかっていることを、解析に際しては充分留意されたい。
- 判定
- 継続審査
受付番号305
ヒト肝細胞を用いた基礎研究
- 申請者
- 藤本 純一郎
- 申請の概要
生体肝移植手術の際生じる廃棄予定のドナー側余剰肝およびレピシエント側肝組織を用いて、肝細胞の分離培養保存を行い、
1)肝臓移植の支援・代替医療としての肝細胞移植療法確率に向けた研究
2)小児肝・胆道疾患等の原因遺伝子探索と解析
3)ヒト肝組織および細胞を用いた薬物代謝動態・毒性試験研究、に応用を図る。- 審議結果
本研究の医療・医学上の意義を認め、かつ倫理的に妥当と判断し、承認する。
但し、以下の点について加筆・修正すること。
課題名を「P97のサブテーマ」を包括するようなものとすること。
P97「Ⅲ.研究計画及び組織について」の内容を説明するパンフレットなどの補助資料を研究開始時までに準備すること。
P115「試料および情報の流れ」欄の個人情報分担管理者を再考すること。
P121.11「研究成果の取り扱い」欄の「遺伝カウンセリング」に関する記述を被験者がわかりやすいように、他の項に移動するなどの工夫をすること。
P129「同意書」の13.「公共的ヒト組織バンクへの検体提供について(□諾・□否)」は、(代諾者の場合)の□3)の後に追記すること- 判定
- 承認
受付番号309
早産・低出生体重児増加要因の分析とその結果に基づく予知・予防対策に関する研究
- 申請者
- 青木 宏明
- 申請の概要
近年、児の予後を不良にする早産・低出生体重児が増加していることから、その要因の分析と対策の構築は極めて重要である。本研究は細菌性腟症・頚管炎症の「感染症要因」、喫煙・ダイエット等の「ストレス要因」、不妊治療等の「医原性要因」について全国規模の調査を行って、データベースを構築し、前方視的に早産・低出生体重児のリスク因子を抽出した後に、早産・低出生体重児発生の予知・予防対策の立案をする。
- 審議結果
本研究の医療・医学上の意義を認め、かつ倫理的に妥当と判断し、承認する。
但し、以下の点について加筆・修正すること。
P173.5「研究対象」欄の「妊産婦」を‘成年妊婦’とし、成年妊婦の定義(20歳以上若しくは16歳以上の結婚している者)を追記すること。
P181.6「研究の方法及びご協力していただきたいこと」を‘研究の方法及び協力していただきたいこと’に修正し、この研究によって早産の恐れの生じる可能性はないことを追記すること。
P183.12「研究へのご協力について」欄の「2010年3月31日までであれば」の前に‘連結不可能匿名化するために’を追記すること。
P185「同意書」の「氏名(本人)」を‘署名(本人)自署’に変更し、(配偶者)の署名欄は削除すること。
【アンケート用紙について】
・‘早産危険因子調査アンケート’を‘妊婦さんの調査アンケート’のような標題にすること。
・フェイスシートの第3者への開示についての表現を再考すること。- 判定
- 承認
